「ストレートな女性の交際相手は男性で、レズビアン女性の場合は女性」、そんなふうに誰もが思っているはず。でも、実は人の心や体はもっと曖昧で、きっちりとカテゴリーに収まらないことが判明! 思春期の健康ジャーナル誌『Journal of Adolescent Health』が発表した研究では、これまでの考えを覆す結果が。早速見ていこう。
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PHOTO:REX FEATURES/AFLO
13〜18歳の思春期の少女2,823人を対象にした同誌の研究によると、バイセクシャルと自覚しているグループのうち5人に4人が直近で男性とのセックス経験があった。さらにレズビアンと診断されたグループのうちでも、5人に1人が同様に男性のセックスパートナーがいる、という結果に。
「特に思春期には、性的指向とセックスする相手が必ずしも一致しない傾向にある、ということが近年の研究によってわかったのです」。論文の主執筆者ミシェル・イバラ氏はそう主張する。
でもそれって思春期だけのものなのでしょう? そう思った人もいるはず。最近発表された米国政府が発表した統計レポート『National Health Statistics Report』でも、同様の結果が出ているのだ。11年から13年に行われた全国調査では、18歳から44歳の92.3%の女性が異性愛者と答えたにもかかわらず、17.4%の女性が同性と性行為の経験があると答えたという。それは男性も同様で、ストレートの男性が95.1%というなかで、同性と関係を持った人は6.2%いた。
これら複数の調査が示すのは、セクシャリティをひとつに決めつけない“セクシャリティ・フルイド(流動性)”が増えているということ。つまり、ストレートだからといって同性に性的に惹かれないとは言い切れないということだ。事実、ニューヨーク州のコーネル大学が行っている研究ブロジェクトでも、同性の性的ビデオを観たほとんどの人が興奮を感じたという結果がある。
さらに最近『GLAMOUR』が1,000人の女性に行った調査では、60%が同性愛、異性愛、バイセクシャルといった性的指向の分類には意味がないと語っていることが明らかに。
『Journal of Adolescent Health』に掲載された論文は、バイセクシャルとレズビアンの女性に限った話だけれど、全ての女性においても言えること。どんなセクシャリティであっても、それが恋や性の対象を画一的に決定づけるということは決してないのだ。