ワインスティーン被告、強姦と性的暴行の罪に無罪主張

ハリウッドの大物映画プロデューサーだったハービー・ワインスティーン被告(66)が5日、ニューヨーク州裁判所に出廷し、強姦罪と性的暴行罪について無罪を主張した。5月25日に逮捕された被告は、同30日に正式起訴されていた。
ワインスティーン被告は、女性1人を強姦し、別の女性に口を使った性行為を強要した罪で起訴されている。いずれかの罪状で有罪となれば、最長禁錮25年の量刑を言い渡される可能性がある。
昨年秋に長年の性的疑惑が報道されて以来、ワインスティーン被告は一貫して、同意のない性行為はなかったと主張している。
俳優ルシア・エバンズ氏がこれまでに、2004年に容疑者に口を使った性行為を強制されたと名乗り出ている。強姦被害を告訴した女性の名前は正式には公表されていない。
ニューヨーク・マンハッタンの州最高裁判所(一審裁に相当)に弁護士と共に到着した被告は、報道陣の質問に答えなかった。裁判所を離れる際にも無言だった。
ベンジャミン・ブラフマン弁護士は、「もっと情報を得るため、複数の請求を裁判所に申し立てるつもりだ。司法手続きが影響を受けるかもしれないし、もし成功すれば、裁判がなくなるかもしれない。もし裁判が成立したとしても、ワインスティーン氏の名誉回復のため速やかに、かつ精力的に活動していく」と述べた。
ブラフマン弁護士は以前、ワインスティーン被告が高名なことと、その疑惑報道を機に性的暴力を糾弾する「#MeToo(私も)」運動が高まったことから、有罪判決を獲得するよう検察に不当な政治的圧力がかかっていると発言していた。
ワインスティーン被告は5月25日にニューヨーク市警に逮捕され、保釈金100万ドルを現金で支払い、旅券の提出とGPS追跡装置の着用を条件に釈放された。
起訴内容のほかに、70人以上の女性が被告から性的暴力や嫌がらせを受けたと糾弾している。
被告についてはニューヨーク市警のほか、連邦政府とロサンゼルスとロンドンの警察が、それぞれ別個に事件を捜査している。
(編集部注――日本では「ワインスタイン」と表記されることの多いハービー・ワインスティーン被告の名前は、本人や複数の関係者の発音に沿って表記しています)
(英語記事 Harvey Weinstein pleads not guilty to rape charge in court)