金正恩第1書記、「ザ・インタビュー」でハリウッドデビュー?

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バルコニーから手を振る金正恩第1書記 Associated Press

 金正恩第1書記にも「チーム☆アメリカ」と同じ瞬間が訪れようとしている。

 アニメシリーズ「サウスパーク」の制作者2人は10年前の2004年、口の悪い操り人形を出演させた「チーム☆アメリカ/ ワールドポリス」を公開し、北朝鮮の金正日総書記(当時)を米国のポップカルチャーの世界に引きずり込んだ。

 この風刺映画は、金正日が世界を滅ぼすのを防ぐため米国の反テロリズム部隊が北朝鮮に派遣されるというストーリー。欧米ではお決まりのカルトっぽいアジア人描写で、金総書記はコミカル風に、冷酷で孤独な(ronery)独裁者に仕立てられている。(「lonely」が「ronery」となっているのは、総書記が「l」と「r」をうまく発音できないことを冷やかしている)

 10月にリリース予定のバンクーバーで撮影された映画「ザ・インタビュー(The Interview)」は、トーク番組のスタッフを演じるセス・ローゲンとジェームズ・フランコが金正恩第1書記へのインタビューを許され、その後、米中央情報局(CIA)に暗殺者として雇われるという筋書き。ユーモア満載だ。

 韓国時間の12日朝、ローゲンは自身のツイッターアカウントに映画のポスターをアップロードした。ポスターは北朝鮮の「社会主義リアリズム」アート風に作られ、北朝鮮のスローガンがちりばめられている。(ミサイルには「戦争がすぐに始まる」と書かれ、2人の役者名の下にある韓国語は「この無知な米国人のばか者を信用するな」という意味だ)

 この映画を制作したソニー・ピクチャーズエンタテインメントはその数分後、動画共有サイト「ユーチューブ」に予告編をアップロードした。

 予告編は赤ら顔の子どもたちが金日成、正日、正恩3世代の肖像画を背後にギターを演奏する場面から始まる。その後、戦車やマシンガン、ロケット、「親愛なる指導者」の肖像画の前に群がる民衆といった期待通りの映像が次々に映し出される。

 金正恩第1書記はたばこをふかす堕落した独裁者として描かれ、イルカと話ができるかどうかが議論の的になっている。

 AP通信は2005年2月に、北朝鮮が「チーム☆アメリカ」にひどく腹を立て、チェコ共和国での上映禁止を試みたと報じた。

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