- 私論 日中文化比較 お笑い芸人は中国に軍配?
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- by西河 豊
- on 2014/2/3
中国は今、春節(旧正月)。日本の紅白歌番組に似た番組が、中国にもある。それは、芸能各ジャンルのトップたちが演目を演じるCCTV(中国中央電視台)の年末プラグラムだ。その芸能ジャンルには舞踊・マジック・バレー・雑技・京劇・コントなどがある。これに出るのが芸人の名誉であり、翌年の稼ぎにも関わってくるのだが、当然予選もある。
この中で最近、私が注目したいているのはお笑い部門である。かなり際どく世相を風刺するネタが出始めているからだ。お笑いに関しては、コント(小品)、漫才(相声)など日本と同じものがひととおりある。
コントのひとつの定番になってきているのが、「扶老人」(フウラオレン)というもので、果たして困っている老人を助けるべきか? というものである。中国では困っている人を助けないという画像が良く伝えられるが、その背景には関わったために逆に訴えられるというケースも頻出しているのである。その辺りのジレンマを描くのがこのテーマのツボだろう。
そして、いよいよ最近、出始めたのが汚職風刺ネタである。
例えば、このようなネタだ。
流行っていたはずのレストラン経営者が多くの請求書を前に嘆いている。というネタである。私の感覚ではかなり面白い。最後の経営者の言葉に対して、「その伝票、全部汚職だろ!」と突っ込みたくなることが思わせぶりで面白くないだろうか?
「流行っているのに何嘆いているの?」と聞かれる。
「これ、○○○(ある行政セクション)の一団が「つけ」で飲んだ請求書なんだ」
「ああ~○○○と言えば、Aが汚職で逮捕されたところ???」
するとレストラン経営者が「そうなんだ~でもどっからがAのか? 分からないんだ」
規制に当たらずの「セーフのポイント」は
・主テーマをレストラン経営者の悲哀・ペーソスをメインに出して、汚職はサイドに置いていること。と推測する。この辺り(汚職・腐敗)のネタになると中国のお笑い芸人は、ぎりぎりでセーフのネタを必死で考えている。ある意味、お笑い文化と言うのは、体制批判、世相批判の風土の中で育つという側面もある。
・風刺するのがお役人であり政治家でないこと。
このような規制ぎりぎりのラインを狙うことをリーガルマーケテイングと言うが
・法的にセーフであることの双方を狙わないといけないので力量が要る。
・面白いこと(商品の場合は売れること)
この中国の状況に対して、日本のお笑い界の現状はどうであろうか?
逆に規制がないので、単純な笑いである。しかも、そのネタつくりは売れるまでのステップであり、認められてからは、そのメインの仕事はバラエテイ出演・司会者的仕事で、そのネタ披露の演目からは遠ざかってしまう。それは、タレントのする仕事であって、本来の芸人の姿ではない。そういう意味で、日本の芸人の質は落ちている。(執筆者:)
*)上記のようなネタが年末番組で演じられたということではありません。
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