
今に通じる差別問う 演劇集団「創造」 「人類館」を再演

【沖縄】演劇集団「創造」による演劇「人類館」が8日、沖縄市民小劇場あしびなーで上演された。沖縄市市制施行40周年記念事業。「人類館」創作者で昨年死去した市出身の劇作家・知念正真さんを追悼し、約6年ぶりに再演した。
舞台は、沖縄出身者2人も展示された1903年の「人類館」事件を基に繰り広げられ「差別はどのように生まれるのか」を問うた。会場を埋めた人は風刺に富んだ掛け合いや言葉のなまりを笑いながら、沖縄が受ける差別や偏見を考えた。
劇はアイヌや台湾人など生身の人間が見せ物にされた「内国勧業博覧会」の「人類館」を基に展開された。沖縄出身の人が、顎骨の張った顔の形や毛深さ、芋を食べる食習慣などを言われ、風刺される場面も。さらに方言札、戦時中の「自決」や戦後ベトナム帰還兵の相手をして殺された女性のトラウマ(心的外傷)など歴史も盛り込んだ。
観客からは「沖縄の今に通ずる内容だ」との声が多く聞かれた。奥間政正さん(75)=うるま市=は「ヤマトンチュから沖縄が受ける差別が今でもあると感じた」と話した。