「在仏華人は、この雑誌社を襲撃しろ!」連続テロのフランス風刺画に、今度は中国人が激怒!

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 合計17人の犠牲者を出す大惨事となったパリの週刊誌「シャルリー・エブド」襲撃と、その後に続けて発生したテロ事件では、言論や表現の自由に関する議論が巻き起こった。

 しかし、フランスの風刺文化に怒りを感じているのは、イスラム教徒だけではないようだ。1月15日にフランスで発行された風刺雑誌が、中国人の間で物議を醸しているのだ。

「環球時報」によると、フランスの月刊誌「フリュイド・グラシアル」の表紙に描かれた風刺画が、中国人をバカにしているというのだ。

 ベレー帽をかぶり、革靴をはいて人力車を引いているフランス人。その人力車に乗っているのが金持ち中国人で、横には金髪美女を連れている。また、後ろにはカメラを手にしている観光客とおぼしき中国人青年の姿も。さらに、漢字の書かれた紙を手に、食べ物を無心する中国人ホームレスまで描かれている。

 環球時報によると、この風刺画は、中国人に占領されたパリの街並みを表現したものだという。フランス国内の富裕層から観光客、ホームレスまで、誰もが中国人になってしまう、というわけだ。

 早速、中国版Twitter「微博」では、「中国人がフランスからいなくなったら、ブランド企業はみんな倒産するぞ!」「在仏華人はこの雑誌社を襲撃しろ!」などと、怒りのコメントが多く寄せられた。

 一方では、少数派ながら「人の思想や考え方に文句を言うべきじゃない」「風刺画から、中国人に足りないものを自覚していくべきだ」と、冷静に捉える声もあった。

 昨年、日本に来た中国人観光客の数は200万人を突破。中国人との関わり合いは日本でもより密接となってきている。さらに日本政府は今後、中国人に対し、観光ビザ取得緩和を行う予定であり、我々にも、この風刺画を笑っている余裕はないのかもしれない。
(文=井上嘉久)