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 ほの暗く、閉ざされた地下の空間は、ありとあらゆる憂いを木っ端みじんにするリズムで鳴動していた。

 そこには、世間知らずの若者より、いくらか年かさの男女が身動きできないほど詰めかけ、息苦しくなるほどだった。

 紅龍(59)ひきいる上々颱風(シャンシャンタイフーン)が、1980年代後半、東京・高円寺に…