朴槿恵大統領を風刺した映画「ポドリ君の家族残酷史X」5年かけて審議を通過…ついに韓国でも公開へ

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写真=映画「ポドリ君の家族残酷史X」ポスター
キム・ゴク&キム・ソン兄弟監督の政治風刺コメディ映画「ポドリ君の家族残酷史X 韓国の夜と霧」(原題:「自家撞着:時代精神と現実参与」)が審議を通過するまでなんと5年もかかった。映像物等級委員会が下す審議の“自家撞着”を如実に証明した「ポドリ君の家族残酷史X」は青少年観覧不可の判定を受け、ついに公開準備に突入した。

「ポドリ君の家族残酷史X」は身体が不自由なポドリ(韓国警察のマスコットキャラクター)のマネキンを主人公にして韓国の現実と政治を皮肉る風刺映画だ。李明博(イ・ミョンバク)政権時に行われた蝋燭デモ、龍山(ヨンサン)惨事、4大河川整備事業などを風刺し、朴槿恵(パク・クネ)大統領のマネキンが登場するシーンなどでも注目を浴びた。

しかし、映像物等級委員会が2011年6月と2012年9月の2回にわたって映画「ポドリ君の家族残酷史X」に対して制限上映可の判定を下し、韓国では上映することができなかった。韓国には制限上映可の判定を受けた映画を公開できる映画館がないため、このような判定は事実上“上映禁止”に該当する措置だとして物議を醸した。

その後、キム・ソン監督は「表現の自由に対する侵害だ」とし、映像物等級委員会を相手取り制限上映可の判定を取り消してほしいという趣旨の訴訟を起こした。映像物等級委員会は行政訴訟1審で「上映の制限は不当だ」という制限上映可の判定を取り消すことを命じる判決を受けたが、1審判決を不服として、高等裁判所に続いて最高裁判所まで訴訟を継続し、「ポドリ君の家族残酷史X」の上映を妨げるような行動をしてきた。

最終的に2014年の最高裁判所の最終判決を通じて「ポドリ君の家族残酷史X」の制限上映可の判定は無効化されたが、映画館で観客と自由に会うことができなかった約5年の歳月は「ポドリ君の家族残酷史X」の制作陣にとって長く厳しい時間だったと見られる。

2015年7月、「ポドリ君の家族残酷史X」は映像物等級委員会に再び審議を申請し、7月30日に青少年観覧不可の判定を受けてついに審議が終わった。韓国映画審議の歴史に新たな先例を残した「ポドリ君の家族残酷史X」がついに韓国の観客のもとにも届けられるようになったのだ。

2013年6月に日本で先に公開された「ポドリ君の家族残酷史X」は、韓国全土の映画館で巡回上映するなど多様な方法で公開される予定だ。

記者 : チョン・シウ、翻訳 : ナ・ウンジョン