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滋賀・守山の高田さん制作「申の土鈴」が年賀切手に

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滋賀・守山の高田さん制作「申の土鈴」が年賀切手に

 大津絵をモチーフにした置物や土鈴を40年以上つくっている守山市笠原町の高田進さん(78)の「申の土鈴」が、来年の年賀郵便切手のデザインに採用され、全国に売り出されることになった。36年前につくった作品といい、高田さんは「本当に感謝している」と喜んでいる。

 高田さんは京都の人形店を退職後、昭和46年から工芸会社を経営。知人の大津絵師のアドバイスもあり、主に大津絵に描かれた干支や七福神をモチーフに、土鈴や置物などの郷土玩具を制作してきた。県内外の神社などから注文を受けているという。

 年賀郵便切手には、日本郵便が全国各地の郷土玩具や人形などを選び、デザインとして使用しているが、今年は高田さんの申の土鈴に白羽の矢が。県内では、平成4年に東近江市の小幡人形が選ばれて以来、3例目となる。

 採用された土鈴は、提灯(ちょうちん)と釣り鐘を両端につるした天秤(てんびん)を申が肩から担いでいる。重たいはずの釣り鐘が上に、軽い提灯が下に配され、道理が逆転した世の中を風刺した大津絵を参考にしてつくったといい、日本郵便は採用理由について「申がかわいらしく、年賀の時期にふさわしいデザイン」としている。

 高田さんは、「これまでしてきたことが認められた思い」と話していた。高田さんの作品が描かれた切手は52円切手で、今月29日から、全国各地の郵便局などで販売が開始される。