モネ展 印象派画家の一生
顔を誇張 10代で描いた風刺画
印象派の画家クロード・モネ(1840~1926年)の作品を集めた「モネ展」が、12月13日まで東京都台東区の東京都美術館で開かれています。
作品とともに彼の一生をたどる展覧会を鑑賞しました。
◇
展覧会の見どころの一つは、印象派という言葉の由来になったという「印象、日の出」(18日まで展示)。モネが子どもの頃に住んでいたフランスの町ルアーブルの港が、やわらかなタッチで描かれています。薄暗い会場で絵だけにスポットライトがあたるように工夫されていて、まるで絵が自ら光を発しているように感じました。
驚いたのは、10代の頃に描いた風刺画です。モネと聞いて思い浮かべる風景画とは大違いで、人々の顔を誇張して面白おかしく描いています。
同展を担当する学芸員の大橋菜都子さんが、「授業中、人の顔ばかり描いていたそうです」と教えてくれました。そんなことをしたら怒られると思いますが、この絵を見て、自分たちもちょっとやってみたくなってしまいました。
こうした風刺画は街で売られるようになり、それを目にした画家ウジェーヌ・ブーダンが、彼に風景画を描くように勧めたそうです。
モネは「睡蓮」の絵をたくさん残しました。描いた時期によって、筆遣いや色合いが異なることに気付きます。1917~19年に描いた「睡蓮」は、大きなキャンバスに、豪快なタッチで、様々な色を重ねています。年をとってから描いたとは思えないパワフルな作品で、風景のどこかに生き物が潜んでいるかのように感じました。
たくさんの驚きが詰まった展覧会でした。
(高1・岩沢里絵、中1・山下礼雄、小6・杉本乃瑛記者)
2015年10月05日 11時45分
Copyright © The Yomiuri Shimbun