さらに面倒なことをいえば、「パロディ権」という日本では余り聞き慣れないものがあり、これは何かというと、パロディを制作する権利が存在するという
考え方である。特に欧米諸国では古くから広く認められていて、その典型的な例が風刺画だ。日本のみならず欧米の新聞には、政治家や著名人を風刺するマン
ガやイラストがよく掲載されている。風刺画はある種の社会批評であり、自由にものが言える社会にとっては必要不可欠だと認められてきた。殊に政治家など
の公的人物の場合、その肖像権が制限されることから、本人の許可を得ることなく、パロディや風刺画を描いても肖像権を侵害することはないというのが社会
通念として受け入れてきた。