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国際政治のおかしさや、人権侵害に対して、1コマのマンガで風刺する。怒りを込めて、アナーキーに。その表現は、不適切、危険、残酷などと評されるが、
風刺マンガ家、イラストレーターのラルフ・ステッドマンは、反体制を貫く。有名な風刺画は、ローリング・ストーン誌に掲載されたニクソン大統領。そのほ
か、ベトナム戦争、銃社会、公害など、そのペンは、痛烈な風刺画を紡ぎだす。

ラルフ・ステッドマンとは、いかなる人物かを描いたドキュメンタリー映画が「マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン」(ザジフィルムズ
配給)だ。ラルフの作品はすべて、デフォルメされ誇張された風刺画で、絵そのものが、痛烈な批評となっている。
ラルフは、1936年のイギリス生まれ。もともと、イギリスの政治や社会を風刺するマンガを描いていた。1970年代に、アメリカで次々と作品を発表す
る。1969年、GONZO(ならず者)ジャーナリストとして著名なハンター・S・トンプソンと出会い、映画にもなったハンターの「ラスベガスをやっつ
けろ」の挿絵を描く。ラルフの作品は、ローリング・ストーン誌やザ・ニューヨーカーなどに掲載される。いまなお、現役のイラストレーターとして健筆をふ