* 2015年04月05日 23:29

風刺画問題は何だかセクハラに似ている

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シャルリーエブドの風刺画とそれに対するテロによって注目されるようになった表現の自由については、私も作家の端くれとして、表現の自由は守られるべき
だと思っています。
ですが、表現の自由があるとしても、そこには一定の守るべき規範があることは、誰しも認めるところでしょう。
この問題を考えた時、私は何となく感じました。
「なんだかセクハラに似ているな」と
一般的な日本人の感覚からしたら、シャルリーエブドの風刺画は、自分がイスラム教徒だったらと考えても、それほど目くじらを立てるべきモノだとは思わな
いでしょう。
「シャルリーエブドの風刺画を集めて翻訳してみた」
それにも関わらず、テロ行為に及んでいるため、非常に異質な不気味さを感じてしまいます。
しかし、同じモノに対しても、その人の持つ属性(性や文化的背景など)で感じ方は大きく異なります。
会社の上司が、社内の雰囲気を良くしようと話しかけていたことが、社員にとってはセクハラだった、なんてことと似たようなものじゃないでしょうか。
前掲リンクを見ても、シャルリーエブドが、イスラムだけを風刺していた訳では無いことは明かです。
キリスト教徒が多数を占めるフランスで、キリストやローマ法王を含むキリスト教関係者に対しても風刺していますから、イスラムを風刺しても、テロの襲撃
を受ける、受けることに妥当性があるとは、考えていなかったかもしれません。
テロリストが、実際に犯行に及んだ背景には、社会的な境遇などもあるようですが、イスラム教徒にとって、”ムハンマドが描かれる”というだけで、我々が


思います。
参考過去記事:天皇陛下に対する自衛隊の認識と感情
現在の国内でも、天皇制の廃止を目指している共産党でさえ、天皇陛下に対する不敬な言動や、ましてや風刺などはしません。
参考:共産党綱領改定案キーワード集
メディアもしかりです。


表現を、メシの種とする、メディア関係者は、もっと勉強が必要だと言うことでしょう。
当然、私も含めですが。
以前の記事「オタクが風刺画やクソコラ以上にイスラムを不快にさせる可能性」で取り上げた、ロンギヌスの槍(と名前をつけられたアニメのアイテム)を月
に突き刺すクラウドファンディングは、無事不成立となりました。(最後の追い込みが急激で、危機感を感じましたが)
日本では、性犯罪者がアニオタだったことをもって、萌え全般を規制しようとするような人間も、特に政治の中枢部に多数います。


ロンギヌスの槍ではなく、フィギュアでも置いてくれば良かったんです。(個人的には、1:4:9比の黒いモノリスを置いて欲しい)
一方で、それを見る方にも、原理主義的な反応は控えるべきです。
東京新聞が、シャルリーエブドが掲載した風刺画を転載し、それに対して在日イスラム教徒がデモを行いましたが、イスラム世界が何に反応しているのか報じ
る事に対してまで「侮辱」だとしたのでは、民主主義を成立させるための知る権利を宗教が犯している状態です。
風刺画の掲載「侮辱だ」 イスラム教徒ら東京新聞に抗議」(朝日新聞150121)
国旗については、ほぼ世界各国で、尊重しなければならないことが共通の認識になっていますが、こうしたNG表現も、共通認識化しないといけないでしょう