間もなくてして若者福祉センターのソーシャルワーカーがアリを引きとり、「ハウス7」に連れて行った。1人でいる未成年者のための難民受け入れセンター だ。 ドイツには1人でやってきた難民児童が約4000人いる。多くはアフガニスタンやシリア出身だ。 ハウス7に向かう途中でアリは次第に落ち着き、ソーシャルワーカーがイラン人の運転手とドイツ語でやりとりするのを、物珍しそうに聞いていた。 「すごく不思議で変わった音の言葉」とアリ。「いつか話せるようになるといいな」