国語 習字の指導に使えるネタ

〜僕は、習字をきれいに書かせているクラスは、学級経営がうまくいってるんだな
   と思っています。研究授業などに行ってもつい習字をみて、このクラスはどんなクラス
     かな?この字を書く子はどんな子かな?と思ってしまいます。
   それだけ、いい字を書くには、先生の指導が子どもに行き届くことが必要ですし、いい字
     を書きたいと子どもが思えるようになる環境も不可欠だと思います。
        ここでは、僕がやっている習字指導のネタを紹介します。とはいっても、
     習字の指導に自信があるというわけではないのですが・・・。
        でも子どもがいい字を書けたときはなんだかうれしいもんです〜

                                              

○「永」字八法

 『永字八法』とは『永』の字に含まれる、毛筆で漢字を書くときの8種類の基本的な筆の運び方を
言います。永の字にはその8種類がすべて含まれているので、この字を練習することで、いろいろな
練習になるというわけです。
 これは、中国の漢の時代に蔡ゆうという人が考えたと言われています。

○子どもへの声かけ

 筆がねてしまう子「ふでがおねんねしているよ」「ふでちゃん、起立!」
 始筆がきちんとできない子「プロは45度から入る!」
 終筆がきちんとできない子「プロは三角で終わる!」
 字のバランスに注意させたい時
            「習字は想像力と注意力。白い紙に字をイメージして頭の中で配置すれば、
             1画目が紙のどの部分から始めればいいかわかるよね」
 集中させたい時「5分かけて書いてごらん。今は30秒で書いているからね、その10倍ゆっくり
             書くんだよ」
 
○はらいなどの指導
 
 僕は、机間を回りながら、はらいなどを直接指導したい子は、後ろから一緒に手を添えてあげて
何度か書かせています。右はらいの感覚などは、なんどか一緒にやってあげるといいかなと思い
ます。

○お手本

 僕は小学校は書道ではなく書写だよ、と子どもに伝えています。とにかくお手本通り書きなさいと
口をすっぱくして言います。「あれ、これウソ字だよ」とお手本と見比べさせることもあります。
 お手本は、実物大でなくてもいいのではないかと思います。教室の机だと実物大だと置けないで
すよね。教科書でも大きすぎると思うので、僕は縮小してB6ぐらいにして増刷りして渡しています。
机に置ければ、手本を見ながらかけますよね。

○工夫したお手本

 教科書の字をトレーシングペーパーに写します。そうすると、線でかこまれた白抜きの字のお手本
ができます。それをたくさん印刷し、最初はそれをなぞるようにさせると難しい字などはバランス感覚
がつかめると思います。
 また、コピーの反転機能を使って、白抜きのお手本を印刷してあげるのも、いいかもしれません。

○書き初めのお手本を自分でコンピューターで作る

 書き初めは自分たちで自由に言葉を選ばせます。そうするとどうしても、お手本がなく、中には宿題
にした書き初めの字が間違っていたなんてこともありました。そこで、ワープロを使って、自分でお手
本を作らせるのはどうでしょうか?4年生でも、きちんとやり方を教えれば、自分で縦書き楷書体のお
手本をプリントアウトするまでやっていました。少し、習字の字とワープロの字が違う部分もありますが、
ないよりずいぶんいいと思います。


○2枚以上から選ばせる

 クラスの中で、1枚いいのができるともう「出して終わりにしていい?」と言う子はいませんか?
そこで、僕は、時々「2枚以上いいのができるまで書きましょう。そして、2枚先生の所に持ってきて、
それぞれどこがどういいのかを言って、先生の前で2枚のうち1枚を選んで出します」というようにして
います。まあ、これだと45分では終わらなくなりますので、時間が取れるときがいいと思います。

○1文字書き初め

 前に6年生を持ったときに、1文字だけの書き初めをしてみました。1文字、自分の思いをこめた字を
選び、半分ぐらいに切った半紙に1文字を書きます。そして、板目を3枚正方形に切り、そのうち2枚
の真ん中にその字が入る大きさの四角い窓を開けます。その窓を囲んで、和紙などをキレイに貼り、
窓の中に1文字の字を入れます。最後に、3枚目の板目を裏につけ、つるせるように紐をつければ、
きれいな1文字書き初めのできあがり。4文字の長〜い紙だけではマンネリだなあと思ったときには
ぜひおすすめ!

○コメントはポストイットで

 ぼくの子どもの頃は、先生に朱の墨で丸をつけられたり直されたりした記憶がありますが、もうあま
り朱で直す人は見かけなくなりましたね。
 ぼくはコメントはあんまりつけずにそのまま、貼らせているのですが、別の学年を受け持っている
教務はちょっと大きめのポストイットに小筆でコメントを書いて作品の一部につけ、それを掲示して
もらっています。子どもの作品にそのまま書くよりずいぶんいいなと思いました。

○書き初め大会

 学年全体で体育館などで書き初め大会をしたときの様子です。


  書いた書き初めは、端から端に張ったスズランテープにかけて
  乾かしています。
  また、気分を出そうということで、BGMは『春の海』をかけておき
  ました。



○習字作品をうちわにしよう

 夏に使えるネタ。いらないうちわを家から一つ持ってきてもらい、表面の紙を水につけてはがし
ます。半紙にうちわの外枠をエンピツなどでかたどります。その中に自分の好きな一文字を書き
乾いたら、切り取ってうちわの枠に貼り付けます。裏も同じように紙を貼り、ふちは細長く切った
色画用紙やビニールテープなどで補強して完成です。実用的な習字作品としておすすめです。


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