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モジもじ文字

2012年7月28日(土)-9月9日(日)   ※8月29日(水)は休館日

平野甲賀の「描き文字99」

字游工房と嵯峨本フォントプロジェクト

大原大次郎の「もじゅうりょく」

 私たちが普段何気なく読み、書いている文字。そのかたち、意味、使われ方などから、改めて文字の力を考えてみませんか?

 本展では、文字を使った個性的な表現を展開しているデザイナーたちの試みを紹介し、三者三様の文字の競演をお楽しみいただきます。

 独特な描き文字で数多くの装丁やポスターなどを手がける平野甲賀。多くの書体を開発するタイプデザイン設計士・鳥海修とデザイナー・永原康史を中心に近世初期の活版印刷に使われた連綿体のフォント化を試みる「字游工房と嵯峨本フォントプロジェクト」。タイポグラフィを基軸にデザインワークや映像制作も手がけ、ワークショップなど多彩に活動する大原大次郎。経歴もタイプも違う三者の、文字による文字の愉しみをご紹介します。

 

 

■平野甲賀(グラフィックデザイナー)

1964年から晶文社の本の装丁のほとんどを手がけ、同社のイメージを定着させた。劇団・黒テントのポスターや舞台装置などをデザイン、78年より高橋悠治らと「水牛通信」「水牛楽団」の活動に参加。84年、木下順二著『本郷』の装丁で「講談社出版文化賞」ブックデザイン賞を受賞。92年より、装丁をリトグラフに再生した個展「文字の力」を内外で開催した。97年以降、雑誌「本とコンピュータ」アートディレクター。2005年「シアターイワト」を神楽坂に設立。07年描き文字のフォント「コウガグロテスク06」発売。12年「スタジオイワト」を西神田に設立。

 

■字游工房と嵯峨本フォントプロジェクト

嵯峨本とは、日本近世初期に出版された古活字本。このプロジェクトは、嵯峨本の活字をデジタルフォント化するもので、本展では『伊勢物語』一段と九段よりフォント化展示いたします。

プロジェクトメンバー/鳥海修 永原康史 伊藤親雄 岩井悠 宇野ゆきこ 長田知華 尾山紗希 小原亘 角倉織音 引地美香 平林美穂 本多育実 前川真吾 山本雄平

 

■大原大次郎 (グラフィックデザイナー)

1978年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、2003年独立。タイポグラフィを基軸としたデザインワークや映像制作に従事するほか、文字のZINEシリーズ『MOZIN』の発行、フィールドワーク「文字採集」、国内外でのワークショップ、展示、レクチャーなどの活動を展開する。

 

 

上から

平野甲賀『ぼくは浅草の不良少年』玉川しんめい著 作品社 1991年

平野甲賀「環太平洋電脳音楽会」 コンサートのタイトル 1988年

字游工房と嵯峨本フォントプロジェクト『伊勢物語』第九段(改刻)

大原大次郎「かたち」 Design:OHARA DAIJIRO Photo:HOMMA TAKASHI