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人事制度と労務管理

Q754.計画停電による休業時の賃金はどのように取り扱えばよいのでしょうか。
首都圏で複数の理容店を営んでおります。計画停電が実施されると、停電の時間帯はドライヤーや電動の可動式椅子が使えず営業をすることができません。この場合、従業員の賃金はどのように取り扱うべきなのでしょうか。

A.休業中の賃金保障について就業規則等に定めがなければ、賃金を支払わなくてもよいこととなります。ただし、時間単位の年次有給休暇の取得や、営業できなくても行える業務がないか検討することも必要と考えられます。

就業規則等で休業中も賃金を保障する旨をうたっている企業の場合と、そうではない企業の場合では対応が違ってきます。まずは、貴社の就業規則等を確認してください。そして、貴社の規則等で休業中も賃金保障を定めている場合は、それに則り休業期間中は賃金を支払います。規則等で休業中の賃金保障を定めていない場合の対応については、以下のとおりです。

【労働基準法に則った対応について】

労働基準法第26条では、「使用者の責めに帰すべき事由による休業」の場合は、使用者は休業期間中労働者に、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならないとしています。

では、計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業は、「使用者の責めに帰すべき事由による休業」となるのか否かということですが、厚生労働省は、原則として労働基準法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないことを示しています(平成23年3月15日 基監発0315第1号 都道府県労働局労働基準部監督課長宛て通達)。

つまり、計画停電による休業は使用者の責めに帰すべき事由によるものではないため、その際の休業について賃金は支払わなくてもよいということになります。

【年次有給休暇の活用】

今回のケースでは、年次有給休暇を活用するという手段もあります。2010年4月より時間単位で年次有給休暇を取得することが認められています。計画停電による休業が発生した場合、年次有給休暇を有する従業員のうち希望する者には時間単位で有給休暇を充当することが可能です。この場合、従業員の過半数を代表する者を選出し、労使協定を締結することが必要となります。

【営業ができない時にどう働いてもらうかという考え方】

計画停電により営業ができない場合に、従業員が行う業務はないでしょうか。たとえば、店舗内で普段手の掛けられない箇所の清掃を行ったり、器具・備品の整理・修繕をしたりすることも考えられます。また、今回の震災を受けて今後店舗としてどのように顧客対応をしていくかといったことをテーマとしたミーティングや、技能向上のためのトレーニングの実施などが考えられます。

未曽有の震災を受け、被災地以外でも不安が高まる中、従業員が疑心暗鬼のまま働くことは、仕事への集中力を削ぎ、思わぬ事故を引き起こす可能性が高いといえるでしょう。計画停電による休業の場合に会社が従業員へどのような対応をとるのか、書面などにより従業員に周知することが必要です。

関連情報
<計画停電が実施される場合の労働基準法第26条の取扱いについて>(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001517c.html
回答者
中小企業診断士 三上 康一

2011年10月12日更新

人事制度と労務管理


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