【Q】 もう9月も終わろうとしているのに、まだ夏休みが取れていません。彼女と旅行に行こうと、この前上司に有給休暇を申請したところ、「この忙しいのに彼女と旅行? オマエ空気読めよ」と一蹴されました。同僚に聞くと、冠婚葬祭であれば認めてくれるらしいのですが。このままでは、いつまでたっても有給なんて取れそうにありません。 (Bさん、30代男性)
【A】 有給の取得を拒否されるという相談は連合にもよく寄せられます。そもそも、有給を取るのに上司や会社の許可・承認はいるのでしょうか? 労働基準法では「使用者は、〜有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定めており、上司や会社の許可・承認は不要です。
また、有給休暇の利用目的についても、上司に伝える必要はありません。休みの日に何をするかは労働者の自由だからです。もちろん、利用目的によって有給を認めないということもあってはなりません。
ただ、労働基準法では「事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」と、会社に有給の時季を変更する権利を認めています。では、どういう場合が「事業の正常な運営を妨げる」のでしょう。
これは例えば、繁忙期に職場の従業員の多くが同時期に有給を申請するというような特殊な場合を想定しています。よってBさんのように単に「忙しいから」という理由での時季変更は認められません。判例を見ても「事業所の規模、担当する仕事内容、忙しさ、代わりの人を手当てできるか」を客観的に判断しています。
有給を取得する以上、程度の差こそあれ業務に支障が出るのは当たり前であり、その程度で時季変更権を認めていたのでは、労働者は有給を取得することができなくなってしまいます。
日本のサラリーマンの有給取得率はまだ5割以下です。ワーク・ライフ・バランスの観点からも「働くときは働き、休むときは休む」。1人ひとりがそうした意識となるよう、労働組合も頑張らなければなりません。 (連合企画局 中里享史)
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