千歳・恵庭のニュース

千歳市街地のヒグマ出没から2週間

(2011年 10/17)

 千歳市内の住宅街でヒグマが相次いで出没、目撃されてから16日で2週間がたった。千歳市は17日午前、これまでの「対策本部」を「警戒本部」に縮小。新たな動きがないことが理由でこれに伴い、市職員やクマ防除隊によるパトロールと春日町や大和周辺の小中学校で続けられていた集団登下校は同日午後から取りやめる。ただ、今年はヒグマの餌になる木の実が不足していることから、再び住宅地に出没する危険性が考えられる。ヒグマの生態に詳しい道の担当者は注意を呼び掛ける。

◇千歳市対策本部が警戒本部に格下げ

 千歳市は3日に警戒本部を立ち上げた。4日夜には市内大和の民家で玄関のガラスがヒグマに割られる被害が発生。市は5日に警戒本部から市の全ての部で組織する対策本部に格上げした。

 市は国道36号以西の28町内会で、市職員や地元猟友会で構成する市クマ防除隊による朝夕のパトロール活動を展開。地区内にあるごみステーション441カ所に、収集日当日の朝にごみを出すといった適正排出を促すポスターを貼り付け、さらにヒグマの通り道となっている陸上自衛隊北海道大演習場内の2カ所に捕獲用のおりを設置した。

 17日午前の対策本部会議で縮小を決め、危機管理課と農業振興課で対応する警戒本部とした。市職員と市クマ防除隊によるパトロール活動も同日午後から取りやめることにした。

 危機管理課によると、市クマ防除隊による、おりの確認は毎朝していくという。今後、住宅地での目撃があった際は対策本部に再度格上げするが、無い場合はヒグマが冬眠する時期の11月末まで警戒本部として継続する方針だ。

◇千歳市内小学校ヒグマ対策

 千歳市教委は3日早朝、ヒグマの出没地点に近い千歳小、緑小、桜木小、向陽台小、泉沢小の5校に、児童の登下校時の安全対策を指示した。

 3日朝は教職員が通学路に立って登校指導を行い、放課後は全児童が保護者の迎えを待って付き添いの下に下校した。4日朝も保護者の付き添いで登校。以降6日まで登校時は教職員が通学路に立って指導(立哨指導)、集団下校も続けられた。

 市内の小学校は7日から5日間の秋季休業に入った。各校は児童の家庭に、安全上の注意を配布。無用な外出を避け、必要があって外出するときも一人で行動せず、明るいうちの帰宅やヒグマ目撃場所、森林に近い公園で遊ばないことなどを指示した。

 休暇中の7日にもヒグマの目撃情報があったことから、後期始業後の12日以降も登校時の立哨指導と集団下校が続けられていたが、17日に市の体制が警戒本部に移行したのに伴って集団登下校の解除を決めた。

◇分析と予防策

 道の環境部自然環境課では、市街地へのヒグマ出没の要因を▽ドングリの実の不作▽前年は豊作年でヒグマの出産が増えた▽子連れの雌グマが交尾を拒み、力の強い雄が雌グマを求めて移動。玉突き現象で若いクマが生息域を追われたため―と説明する。

 今年は、凶作年の2001年、05年と同じ状況で、道は「ヒグマの大量出没警報」を発令し、人身事故の発生を警戒する。

 ヒグマは通常10月末から冬眠に入るが、凶作年は餌を求めることから11月末まで活動する傾向が強い。気温の低下が活動を促すと指摘する。森に隣接する市街地では、再度姿を現す「戻りグマ」に注意が必要という。

 道によると、道内でのヒグマの今年の捕獲頭数は9月末現在475頭。道警がまとめた目撃数は846件。過去10年の同期の平均捕獲数(369頭)、目撃数(584件)を上回る。

 道自然環境課の担当者は、ヒグマにとって最大のごちそうは家庭菜園の野菜とコンポスト容器の生ごみ。鼻が効くヒグマには、残飯が入り発酵した生ごみは格好の餌という。

 定期的に収集するステーションの生ごみとは異なり、家庭菜園やコンポストは24時間立ち寄れるコンビニに等しいとも指摘。来年以降、山の実が豊作に転じても出没する危険性があり「絶対に人の食べ物の味を覚えさせてはいけない」と庭に取り残した野菜やコンポストの生ごみの回収を呼び掛ける。